「新入社員研修を内製化できないか」のテーマについてメリット・デメリットを考えていきます。
前回の記事はこちら
当社が考える、研修の内製化のデメリットは、以下の通りです。
1.コスト面について
2.研修プログラムについて
3.講師について→前回の記事はこちら
4.社員同士の指導について
新入社員研修を内製化のデメリットについて考えていきましょう。
4.社員同士の指導について
それではビジネスマナー研修の内製化について、最後の問題点を記載します。
前回の記事はこちら
社員が講師を務めることにより、双方が親近感を覚え、現場に即した指導もできるというメリットもあります。しかしながら、社員が講師を務めることで、社員同士の指導となり、生じるデメリットは大きいです。
一番の問題は、講師が受講生に対し、「明確にNOと言えない」点にあると考えています。それには以下の3つの理由があります。
(1) 講師社員のスキル不足の問題
(2) 会社全体のマナーレベルの問題
(3) 講師の「嫌われたくない」意識の問題
以下、順を追って説明します。
(1) 講師社員のスキル不足の問題
社内で講師となった社員の方は、もちろんプロではないので、全てが完璧でないことも当然ながらあります。
そのため、自分の知識が足りない部分や、苦手な部分はあまり触れずに済ませてしまったり、受講生があやふやな状態でも、指摘できずに終わってしまうことが想定されます。
また質問にも答えられず、よって不完全な研修となってしまいます。
(2) 会社全体のマナーレベルの問題
「テキストや一般常識ではこちらが正しいけれど、うちの会社は・・・」ということがあるとします。
そのため、本来は一般常識であるそのマナーを教えないとすると、
あまりやらない→教わらないからやれない→誰もやらない
という引き算の連続により、最後はその会社において、そのマナーは抹消されてしまいます。
しかし、取引先ではそのマナーを重んじていたら・・・。会社の品格に大きく関わる問題、再考が必要です。
(3)講師の「嫌われたくない」意識の問題
研修における受講生の目標到達度が、講師から見て低い場合、当然ながら、指摘をし、重点指導する必要があります。
しかし、講師側が社内だと、今後仕事を共にするうえで「嫌われたくない」「怖い人だと思われたくない」などとの理由から指摘せずに終えてしまうことが多々あります。
「大体こんな感じでOK」「まあ、その程度でいいかな」で終わっては困ります。
ここはプロの講師に任せ、意欲を掻き立てながら、指摘をし、改善、体得してもらう、という道を選んでほしいです。何より、新入社員研修で体得したマナーは、一生の宝物になるのですから。そして、企業価値を高める、大切なメンバーの一員になるのですから。(終わり)